あたしは、宙斗の笑顔が好き。

笑顔だけじゃなくて、宙斗自身が好きなんだ。

見ているだけでほんわかする。

「おはよ。じゃ、とりあえずマック行かない?」

微笑みながら聞く。

「じゃ、そうしよう。」宙斗が言った。

あたし達はマックに行き、空いている席に座った。

ポテトやナゲットを食べながら学校での近況報告をしてひと息ついた時に、

あたしは宙斗に自分自身が触れたくはないことを聞いた。

「ねぇ、そういえば彼女さんとはどうなの?」

「ん?順調だよ?」

また宙斗が微笑む。とても幸せそうに。

そう、宙斗には彼女がいる。高校3年生のN高にいる人。

生徒副会長で成績優秀、運動神経もそこそこ良くて、人望もあつい。

誰もが憧れるような人だそうだ。

いいなぁ、あたしも早く彼氏が欲しいよ〜

嘘だ。心の中ではずっと宙斗のことを想ってる。

「でも、好きな人いるんだろ?」宙斗が聞いてくる。

「まぁね。でも、叶わない恋だって教えたでしょ?」

そう。あたしは宙斗に正直に教えた。名前は言わずに。

「あぁ…。そうだったな。かわいそう〜(笑)」ニヤニヤしながら言ってくる。

いや、絶対思ってないでしょ。

「うん。」

だよねー。あ、そういえば、

「ねぇ、彼女さんの写真ある?」思い出したように聞いてみる。

「あるよ?見る?」

見たい!!

彼女さん、可愛いのかなぁ?

宙斗が差し出したスマホをのぞき込む。