「だって俺、生きているのが好きだから」




さっきとは逆に、ゆっくりと目を開けて
言った赤沢に、私は何かを感じた。


それは、初めて見た赤沢の弱さのようにも感じられた。


まるで、「これはウソだ」と言っているように
見えるその目に見入ってしまう。


ただ、そんな赤沢を助けてあげたいと素直に思った。


「赤沢に何があったのか知らないけど、
生きているの、楽しいよ?」