私は、思ったことを口にする。


「赤沢って不思議だよね」

「なにが?」


赤沢は、目を閉じたまま答える。

寝ているのか起きているのか分からないその
姿勢が、少し可笑しかった。


「本当はもっと可能性があって、明るいっていうか
凄くいい人なのに、自分でそれをセーブしてるような」


自分でもびっくりするくらい、次々と思ったことが
言葉に出てくる。