キミに「きらい」って言わせたくて

一人の男子が声を上げる。

「せんせーい!十希に騙されちゃ駄目っすよ。
こいつ、どうしようもないウソつきなんで」

「石原黙れ」

「はいはい、とりあえず赤沢は席に着きなさい」

赤沢くんはそう言われて、
大きなあくびをしながら隣の席に座った。


一度、その眠そうな目で私を見て、
興味なさそうにすぐに反らした。


感じ悪っ!


何か言ってやりたかったけど、初対面で
説教するほどの勇気はなかった。