その、赤沢くんが来たのは 始業式の後だった。 ガラッとドアが開いて、寝癖のついた髪を 掻きむしりながら入ってくる。 「…おはようございます」 「おはようございますって、お前、かなりの遅刻だぞ」 「すみません、交通事故にあって…」 「は?お前、その体でどこが事故にあったっていうんだ」 先生の言う通り、赤沢くんは無傷だった。