私は、チラッと隣の席に目をやる。

まだ、来ていないということを確認して、
私は手を挙げた。


「あの、まだ隣の人が来てません」

「名前は?」

そう言われて、もう1度隣の席を見る。


--- 赤沢 十希


そう書いてあった。

十希……?


「赤沢くんです」


名前の読みに自信がなかったので、そう言った。