「野球部はどうなの?」

「まずまずかな」

「今年は甲子園行ってね!私、甲子園の客席で
吹くの楽しみなんだよね」

「頑張って行ってみせるよ」

そんな話をしていると、後ろから
凛が自転車でやってくるのが見えた。


「凛。おはよう」


笑顔でそう言うと、凛は一瞬私を見てから
すぐに反らして、何も言わずに通り過ぎて行った。