キミに「きらい」って言わせたくて

赤沢が投げたボール。



ブランクがあるはずなのに、飛田に負けていない
スピードと、安定感があった。


私は、あの一瞬のボールに圧倒された。


なんだか、爽快感があって、見ていて勇気を
もらえるようなそんな球だった。




「さっき言った話、ぜーんぶウソ。だから、俺が投げる」





赤沢はいつものようないたずらっぽい
笑顔で言った。




__嘘つき。