キミに「きらい」って言わせたくて

赤沢はじっと飛田を睨み、時に下を向いて
思いつめたような顔をする。


飛田は、そんな赤沢を見てにんまりと意地悪な
笑みを浮かべた。



しばらく沈黙が続き、気まずい空気が流れる。



するといきなり、赤沢が、すとんとブランコから降りて、
真下に落ちていたボールを拾った。


きっと、誰かが忘れて行ったのだろう。



そして、私が一度目をそらして飛田に視線を向けていた
その時だった。





凄いスピードのボールが、私と飛田のちょうど真ん中を
通過し、その向こうにあった壁にぶつかった。