キミに「きらい」って言わせたくて

赤沢の、目の色が変わった。

赤沢は、立ち上がって声を上げる。



「お前に何が分かんだよ。俺が、どんなに苦労してきたか。
野球できなくなって、一人になって、どんなに辛かったか」



「そんなの分かんねえよ。でも、野球できない辛さは、
今甚だしく痛感してる」




飛田も、負けじと赤沢を見つめて、ぶつかっていく。



私は只々、見守ることしかできなかった。


私には、どっちの味方もできない。