キミに「きらい」って言わせたくて


私は息を呑んだ。


赤沢は誤魔化すように鼻で笑う。



「俺、 馬鹿だから親父を守ろうとしたんだ。幸い、
その車はあまりスピードが出てなかったから、今生きてるんだけれども」



「親父は、軽い打撲で済んだ。でも、俺は手首を粉砕骨折した」




赤沢の気持ちを考えると、胸が痛くてたまらなかった。

飛田も、悲しそうな目で赤沢を見る。




「もちろん悲しかったけど、俺が気にしてるのはそこじゃない」


「全治10カ月の俺を見て、親父は言った」