「で、でも。赤沢、野球、好きなんじゃないの?」 その言葉を聞いて、赤沢は私を思いっきり睨みつけてきた。 「これ以上、俺の事情に踏み込むな」 それはあまりにも冷たくて、 寂しい目をしていた。 「俺、親父大っ嫌いだから」 赤沢が、そう怒鳴る。 「親父がやってた野球も、親父のことを憧れとか 言っているお前も、みんな大っ嫌いだから」