ずっと嘘をついてきた赤沢には、怒りを感じる
ところだってある。


正直、本当に恨んでやりたい。


それでも私は、チームのためのやることがあった。


「心音、ありがとう。私、赤沢のとこ行って来る」


「うん、行っといで。また、会おうね」



私は心音に手を振りながら、全速力で赤沢を追いかける。


と言っても、赤沢と別れてから時間が経っている。

すぐには見つからないし、
もう帰っている可能性もあった。




「飛田！」