今日も北見監督に会えないかな、と周りを
見渡してみるが、いなさそうだった。



「……沙菜?沙菜だ!」



ふと、後ろからそんな声が聞こえて振り返る。


「え、心音!久しぶり〜!」


そこにいたのは、中学校時代の友人の、心音だった。


「やっぱり心音もマネジャーしてたんだね」

「当たり前じゃん。私、野球以外に取り柄ないし」

「だよね。私も」