「飛田、大丈夫だったのか」

「幸い、右足の骨折だけで済んだけど、野球はしばらく無理だね」

「そっか」


赤沢は、複雑な表情を浮かべて言った。

でも、赤沢に同情は似合わない。


「次の試合も見に来てよ」

これは、本音だった。

なぜか、赤沢に見に来て欲しかった。

赤沢の顔も、少し和む。


「行くからには絶対勝てよ」

「もちろん」

そう言って、私は赤沢に手を振って去った。