決勝への不安が募る。

次の試合は、北見監督のいる五十嵐。

今日のようにはいかないだろう。


せっかくここまで来れたのに。

あと少しで夢に届きそうなのに、届かない。

自分が何も力になれないことが、悔しかった。



「あれ、赤沢じゃね?」


ベンチで帰る準備をしていると、西岡が
観客席を指差して言った。


赤沢?


確かに、観客席の方に赤沢がいた。