飛田は俯いて、ギプスが巻かれた
自分の足を見つめた。


確かに、怪我をしたのが足で良かった。

後遺症が残ることはないみたいだし、
治ったら野球を続けることもできる。


お医者さんは、運が悪かったら死んでいたと
言っていたそうだ。


生きていたのは良かった。



でも、飛田はもう甲子園に出ることはできない。




飛田の気持ちを考えると、何も言えなかった。