私と西岡は、病院の入り口で飛田を待った。

しばらくして、松葉杖をついた飛田が、
母親と監督と共に出てくる。

そんな飛田を見ると、胸がぎゅっと苦しくなった。


「飛田っ!」


西岡が、今にも泣きそうな顔で飛田の元へ
駆け寄り、抱きついた。


飛田は、もう何もかも失ったような顔をして
そっと西岡の背中に手を置く。


私も、西岡について寄って行き、
飛田の顔を見る。


「もう、心配したんだから」