一瞬、赤沢の表情が固まった気がした。

でも、直ぐにいつもの赤沢に戻る。


「へぇ。良かったじゃん。どうだった?」

いかにも、自分は興味ないけど、と言うような
口振りだけど、私は気にせず話した。


「その人、五十嵐高校の監督だったんだ。
北見監督って知ってる?」


そう、赤沢に聞くけれど、返事が返って来ない。


「赤沢?」


もう一度振り向いて赤沢の表情を見ると、
やはりさっきのように固まっていた。