「私、甲子園行きますから!」


おじさんは、そんな私の拙い言葉を
真摯に受け止めてくれた。


「うちも、甲子園行くよ」


ふふっと笑いが漏れる。

幸せを感じる笑いが。


おじさんが、忘れかけてた私の熱い思いを
引き出してくれた。


「ありがとうございました」

「また会おう」


大きな背中に向かって私は手を振った。

何年経っても、おじさんは凄い人だと思った。