「でも、どうして北見監督がここに」


今日は、五十嵐の試合はなかったはずだ。

五十嵐は昨日、準決勝を勝ち抜いて、
残すは決勝というところまで来ている。

おじさんは、ニヤッと笑った。


「もしかして沙菜ちゃん、星林のマネージャーなのかい?」


突然言い当てられて一瞬戸惑う。

けれど直ぐに、私が星林のロゴが入ったタオルを
首に掛けていることに気づく。


「はい。おかげさまで、野球、大好きなんで」