飛田が何か勘違いしているような気がして、
私は慌てて説明する。

「赤沢は、練習ノート届けてくれただけだよ」


「じゃあ、どうしてお前の部屋まで上がり込んで、
ケーキまでご馳走になってんだよ」


飛田の様子は、本当に変だ。

どうしてそんなことで怒っているのかが
私には分からなかった。


「いいじゃん。せっかく届けにまで来てくれたんだから、
ゆっくりしてもらっても」


そう言うと、飛田はもう一度ため息をついた。