キミに「きらい」って言わせたくて

私は、赤沢がいるドアの方向とは
逆の方向を向いてそう聞く。


赤沢は、その態度に若干怒りながらも、
直ぐに答えた。


「これ 」


赤沢が私の方に何かを差し出したのが
感じられたので、私は振り向く。



練習ノートだった。

私達の、野球部の、全てが詰まった私の宝物。


「校舎裏に落ちてたぞ。大事なんだろ、これ」


私は、赤沢を見て大きく頷く。