涙が出て来る。


もしも、もしもここで星林が負けちゃったりしたら、
私達の野球はもう終わりなんだよ?


一つ一つの試合が、私達の高校野球最後の
締めくくりなのに。


お願いだから、絶対勝ってよ。


私は、心の底からそう願った。



ピンポーン。

インターホンがそう鳴ったと思うと、
ドアの向こうからお母さんの声が聞こえる。


「沙菜〜。お友達が来たわよ」