赤沢は、私が二つも大きなネットを抱えているとこを
見て、眉をひそめて言った。


「何してんだ」

「いやー、ちょっと飛田に頼まれて」

「ふーん」


興味がない、そう言ったように聞こえて、
ちょっと腹が立つ。


「手伝ってくれたりないんだ〜」


私がふざけたノリでいうと、赤沢は
無視するように本に視線を戻した。


ひどい。