「とにかく、飛田くん傷つけたら私が許さないからね。
たとえ振ったとしても、酷い振り方しないでね」

「分かった」


それだけは、素直に受け止める。

私も、飛田を傷つけたくはなかったから。



「どうしたの?」


雛乃が目を開けた。

くりくりとしたその目を私と凛、交互に向ける。


「秘密」


私がそう言うと、雛乃は口をとんがらせて
反抗しようとしてきたけど、まだ少し眠かったようで、
すぐに寝てしまった。


私達の、最後の楽しい思い出が、もうすぐ
終わろうとしていた。