「ていうかさ、何気に初めて? 関田さんとちゃんと話すの」
「あ、えっと……うん、多分」
じわりじわり、夏の暑さが額に滲む。長谷川くんのサラサラな髪の毛は、女の子よりも綺麗な気がする。
「あー、でもさ、関田さん覚えてないだろうけど」
あと数歩で職員室に着いてしまう。
長谷川くんの言葉に顔を上げると、長谷川くんもこっちを見ていたからびっくりする。目が合ってしまった偶然を、私は調子よく考えてしまうよ。
「入学式の日、遅刻してなかった?」
「あ……」
「ははっ、あれやっぱり、関田さんだったんだ」
胸のドキドキは鳴り止むことを知らないみたい。うまく言葉を返せない自分が恥ずかしくて顔が熱い。
長谷川くん、あの日のことを、覚えていてくれたんだ。
「……はせ、がわくんが」
「うん?」
「体育館、あっちだよって……」
「ははっ、覚えてる覚えてる。あのとき関田さん、すっごい泣きそうな顔してたんだよなあ」



