あしたもきみがすきです





「関田さんって、結構マジメだよね」

「えっ、」



カキーン、カキーン、って、野球部のノック音が聞こえてくる放課後の廊下。長谷川くんの隣を歩くことだけでも精一杯なのに、話しかけてくれるなんてそろそろ心臓がもたない気がする。

おかしい。昨日まで、背中を見ているだけだったのに。

日直なんて面倒臭い事ばかりだと思ってたけど、意外といいこともあるみたい。



「俺だったら素直に職員室なんて行かないよ」



ククッ、て。目を細くしながらわらう長谷川くん。わたしの心臓は、とてもうるさい。



「でも、長谷川くん、も、今職員室向かってるよね……?」

「だって関田さんに起こされたから」

「お、起こすつもりじゃなかったんだけど、あの、ごめんなさい……」

「ははっ、関田さん、真に受けすぎ!」


長谷川くんの笑い声がくすぐったくて、一人分空いた右隣のななめ上を見上げることができない。

顔が熱いなあ。もしかしたら今日は、人生で一番ラッキーな日なんじゃないのかな。


長谷川くんが隣を歩いて、わたしの名前を呼んでくれた。笑ってくれた。たったそれだけとこと、だけどこんなに胸が苦しいよ、長谷川くん。