あしたもきみがすきです





「は、長谷川くん……」



放課後、夕暮れ染まる教室で。

ドキドキとうるさい心臓をなんとか落ち着かせて、いちばん後ろの席からいちばん前の長谷川くんの席までおそるおそる近づいたのに、長谷川くんはどうやらまた寝てしまっているらしい。


ちょっとだけならいいかな、って。


机に突っ伏して寝ている顔を覗き込んでみると、スースーと寝息を立ててほんとうに気持ちよさそうに寝ているんだもん、ちょっとずるい。



「はせがわ、くん」



普段なら絶対に呼ばない名前。わたしたちは、会話どころか挨拶さえ数回程度しか交わしたことがない。

長谷川くん、と、私はきみに面と向かって言えたことが一度もないんだ。



「……長谷川くん」



彼にそう言えたらどんなにいいだろう。寝顔じゃなくて彼の笑顔が私に向けられたらどんなにいいだろう。


いつもそんなことばかり考えてる。
いつも、長谷川くんのことばかり考えてる。



「……何? 関田さん」