あしたもきみがすきです




「関田(せきた)! 」

「へっ、はい?」



まだ長谷川くんへの笑いが解けない中、川谷先生に思わぬところで名前を呼ばれた私は素っ頓狂な声を出してしまう。


なんでいきなり呼ばれたんだろう。私、なんかしたっけ。



「おまえ今日日直だよな? 放課後、長谷川と一緒に職員室なー」

「えっ、」



私の反応にクラス内がまた笑い出す。「えっ」って、「長谷川くんと一緒なんて最悪!」に聞こえてしまったかもしれない。でも今更取り消すことなんて出来なくて、私は渋々「…わかりました」って小さい声で言う。


「ハセ、寝すぎだろー!」

「つうかセンセーもいい加減わかってやって! ハセって毎時間寝てるから!」

「馬鹿野郎。俺の授業で寝るなんて100万年早い」



いつの間にか会話はまた長谷川くんの話へと変化していて、クラス中は笑いの渦に包まれている。

当の長谷川くんは興味なさそうにまた机に突っ伏して、本当にやる気はないみたい。



私は異常に早くなる鼓動を抑えながら、シャーペンを握る力をぎゅっと強めた。



放課後、長谷川くんと職員室に行く。たったそれだけのことだけど、私は今から胸がドキドキして、苦しいよ。


長谷川くん、きみはきっと、何も知らないだろうけれど。