楽しかった高一の夏休みも、とうとう明日で終わる。海の家でバイトして、原付の免許も取って、課題なんてそっちのけ、これでもかってくらい散々遊んだ。


そのツケが一気に回ってきた最終日。俺は溜まりまくった課題の山を一日がかりでやっつけていた。友達に借りたノートをひたすら丸写しして、残す課題はあとひとつ。それも俺の苦手な作文だ。


親友について書くなんてお題を出されても、何をどう書けばいいのか、全く思いつかない。三枚もある原稿用紙を前に、俺はまずワシャワシャと頭を掻いた。


決まらないタイトルの行は空け、西山英成(ニシヤマヒデナリ)という自分の名前を書く。そこですぐにフリーズした俺は、シャーペンを放る様に置くと、背もたれにしていたベッドの上に、うつ伏せのまま倒れ込んだ。