(完)嘘で溢れた恋に涙する

理玖は勢いよく走り出して、美結は息をつく暇もなく叫んだ。



「理玖ーーーーぅ、いけええええ!」



その声に、たくさんの歓声が続く。



「きゃああああ理玖センパイーーー!!」




拳をぎゅっと握りしめて、爪が食い込んで行く。



私だって…



息を大きく吸い込む。



あの感覚を思い出すんだ。



誰かに想いを伝えたい時、言葉にしたい時、声を響かせたい時のあの感覚を




「…が、んばれーーーーー!!」