(完)嘘で溢れた恋に涙する

招集場所に向かう2人の後ろ姿をいつまでも見つめてしまう。



じゃれ合う2人はここから見ても仲がいいのがわかる。



「あ、理玖サンと美結サンだ〜。あの2人お似合いだよね〜」



「けど、理玖センパイって他に彼女いるとやろ?」



「らしかね〜。絶対あの2人の方がお似合いとけね〜」



急に背後から耳に入って来た言葉たち。



後輩の女の子なんだろう。



別に私に対する嫌味じゃないことはわかっている。



私がここに立っていることも、そもそも理玖の彼女が私であることも知らないだろうから。



それでも悔しい。



理玖に似合うのは私がいい。



そんな思いがふと頭の中に浮かんで、ハッとする。



なんておこがましい奴だ。



美結に嫉妬するなんて。



ほんと、ありえない。