(完)嘘で溢れた恋に涙する

「うし、じゃあ、美結行くぞ」



「え、あ、はーい」



午後の部が始まってから、しばらく応援席で2人と一緒に自分の段を応援していた。



プログラムも終わりに近づいて、次の団対抗リレーのメンバーが放送で呼び出された。



その放送を聞いて、理玖と美結が立ち上がった。



団対抗リレーはそれぞれの団から各学年男女1人ずつ選出される。



理玖はうちの団のアンカーだ。



美結は理玖にバトンを渡す。



私はここで応援するしかない。



「応援頼んだぜ」



理玖が冗談めかして私に向けてウィンクをする。



「うえー気持ち悪ーい」



隣で美結が顔を歪めて、舌を出した。



理玖がそんな美結をギロッと睨んでその頭を軽く叩く。



そんな2人を笑って送り出した。