(完)嘘で溢れた恋に涙する

それなのに、どうして私はごめんね。ありがとう。ってそんな短い二言すら言えないんだろう。



今の私には、お母さんのしわくちゃな手をぎゅっと握りしめることしかできないんだ。



不甲斐なくて、情けなくて私まで泣きたくなる。



そのまま昼食を食べ終えて、生徒のテントに戻った。



「由姫!」



戻ったらすでに席に着いていた美結と理玖に話しかけられる。



他愛もない話に私は相槌を打ったり笑顔を見せるだけ。



いつか2人はそんな私が面倒になるんじゃないか。



そんな不安はいつになっても消えてくれない。



2人はそんな人じゃないってわかっているんだけど。