そう思いながらも、怒鳴ることをやめられなかった。
怒りをあらわにすることに躊躇を感じなかった。
だけど美結はそんな私を見捨てることなく、力いっぱい言い返してくれた。
「じゃあなんで今そんなに泣いとると!?
心のどっかで満足しとらんけんやろ!?
あんたは傷つきたくないっていうけど、その行為自体があんたの心を傷つけとる。
やけんそんなに涙が止まらんとやないと?」
「は…?」
「ねえ、あんたの陸玖を想う気持ちは傷つきたくないって気持ちに負けるほどのものなん?
違うやろ。
あんたはあの日、初めて陸玖と会った日からずっと好きやったんやろ?」
「そんなの…」
美結の強い言葉に何も言い返せなかった。
その言葉たちが心を強く支配して消えてくれない。
ああ、そうか。
その通りだと納得してしまったんだ。
陸玖を想う気持ちが他の何かに負けるわけない。
透が心の一部に現れても、私は結局透を選べないんだから。
今だって、ついさっき見た陸玖の笑顔が頭から離れないし、あの優しい笑い声を忘れられないんだから。
その場に深く崩れ落ちた。
声にならない声で叫んだ。
カーペットに小さな水玉がいくつも現れる。
そんな私の震える肩にポンと手が置かれた。
耳元で透の声が聞こえる。
「なあ、由姫。
人それぞれ意見は違うと思うけど、それでも俺はこう思うよ。
この世に幸せになる権利のない人はいない。
誰だって幸せを望んでいいんだって」
怒りをあらわにすることに躊躇を感じなかった。
だけど美結はそんな私を見捨てることなく、力いっぱい言い返してくれた。
「じゃあなんで今そんなに泣いとると!?
心のどっかで満足しとらんけんやろ!?
あんたは傷つきたくないっていうけど、その行為自体があんたの心を傷つけとる。
やけんそんなに涙が止まらんとやないと?」
「は…?」
「ねえ、あんたの陸玖を想う気持ちは傷つきたくないって気持ちに負けるほどのものなん?
違うやろ。
あんたはあの日、初めて陸玖と会った日からずっと好きやったんやろ?」
「そんなの…」
美結の強い言葉に何も言い返せなかった。
その言葉たちが心を強く支配して消えてくれない。
ああ、そうか。
その通りだと納得してしまったんだ。
陸玖を想う気持ちが他の何かに負けるわけない。
透が心の一部に現れても、私は結局透を選べないんだから。
今だって、ついさっき見た陸玖の笑顔が頭から離れないし、あの優しい笑い声を忘れられないんだから。
その場に深く崩れ落ちた。
声にならない声で叫んだ。
カーペットに小さな水玉がいくつも現れる。
そんな私の震える肩にポンと手が置かれた。
耳元で透の声が聞こえる。
「なあ、由姫。
人それぞれ意見は違うと思うけど、それでも俺はこう思うよ。
この世に幸せになる権利のない人はいない。
誰だって幸せを望んでいいんだって」



