陸玖の背中が闇に消えていくのを見送ってから、無意識のままに玄関のドアを開け、一階の大部屋と向かった。
きっと陸玖は本当にもう二度と私に会いに来ないだろう。
よかった。
うん、これでよかったんだ。
元々、同じ事件の加害者の子供と、被害者の子供が繋がってる、こんな歪な関係が間違っていた。
神様のミスでこんな間違いが起こってしまったのなら、間違いを正せてよかったじゃないか。
これで、もうどうにもならないことで悩むことだってなくなる。
「由姫、どうだっ…。どうしたんだよ!?なんか言われたのか?」
部屋に入った瞬間、ソファーに座っていた透が目ざとく見つけてきた。
だけど、なんだか動揺した様子だ。
「透…どうしたの?私は何ともないよ」
「何ともないわけないだろ。泣いてんじゃん」
そう言われて気が付く。
さっき泣き止んだばかりなのに、私は大粒の涙で頬を濡らしていた。
「あれ、どうしたんだろ?おかしいな。何ともないのに」
わけがわからなくて、無理やり自分の手の甲でその涙を拭いてとめようとするけど、涙は次々に溢れ出す。
「陸玖がもう来ないって、私はそれを望んでたから嬉しいのに。
なんでこんなに涙が…
変だよね私。
どうしちゃったんだろ」
気がふれたようにぶつぶつと1人で呟く。
そんな私を透はじっと見つめていた。
「ねえ透、なんとかしてよ。ねえ」
「俺じゃどうにもできないよ」
ポツリと透が答えた。
「え?」
潤んだ声が漏れる。
「もう誤魔化すなよ。嘘つくなよ。
お前の心の中には結局あいつしかいないだろ。
ホントはあいつと一緒になりたくて仕方ないくせになんでそんなに自分を痛めつけるんだよ!?
もういいじゃん、正直になれよ」
透も泣いていた。
私を怒鳴りつけながら、私の肩を揺さぶって涙を流していた。
でも違う。
透の言ってることは全部間違いだ。
「…何言ってんの?
私は誤魔化してないし、嘘もついてない。
陸玖のことは諦められる。
1人でだって生きていける。
何も怖くない」
力任せにそう絶叫した。
ここが下宿内だってことも忘れてた。
きっと陸玖は本当にもう二度と私に会いに来ないだろう。
よかった。
うん、これでよかったんだ。
元々、同じ事件の加害者の子供と、被害者の子供が繋がってる、こんな歪な関係が間違っていた。
神様のミスでこんな間違いが起こってしまったのなら、間違いを正せてよかったじゃないか。
これで、もうどうにもならないことで悩むことだってなくなる。
「由姫、どうだっ…。どうしたんだよ!?なんか言われたのか?」
部屋に入った瞬間、ソファーに座っていた透が目ざとく見つけてきた。
だけど、なんだか動揺した様子だ。
「透…どうしたの?私は何ともないよ」
「何ともないわけないだろ。泣いてんじゃん」
そう言われて気が付く。
さっき泣き止んだばかりなのに、私は大粒の涙で頬を濡らしていた。
「あれ、どうしたんだろ?おかしいな。何ともないのに」
わけがわからなくて、無理やり自分の手の甲でその涙を拭いてとめようとするけど、涙は次々に溢れ出す。
「陸玖がもう来ないって、私はそれを望んでたから嬉しいのに。
なんでこんなに涙が…
変だよね私。
どうしちゃったんだろ」
気がふれたようにぶつぶつと1人で呟く。
そんな私を透はじっと見つめていた。
「ねえ透、なんとかしてよ。ねえ」
「俺じゃどうにもできないよ」
ポツリと透が答えた。
「え?」
潤んだ声が漏れる。
「もう誤魔化すなよ。嘘つくなよ。
お前の心の中には結局あいつしかいないだろ。
ホントはあいつと一緒になりたくて仕方ないくせになんでそんなに自分を痛めつけるんだよ!?
もういいじゃん、正直になれよ」
透も泣いていた。
私を怒鳴りつけながら、私の肩を揺さぶって涙を流していた。
でも違う。
透の言ってることは全部間違いだ。
「…何言ってんの?
私は誤魔化してないし、嘘もついてない。
陸玖のことは諦められる。
1人でだって生きていける。
何も怖くない」
力任せにそう絶叫した。
ここが下宿内だってことも忘れてた。



