(完)嘘で溢れた恋に涙する

はじめこそ他愛のない話をしていたが、しばらくして透に聞かれた。


「あの陸玖くんだっけ?に何を言われたの?」


緊張した面持ちで、ずっと気になってたんだろうなと予想がつく。


透に嘘はつきたくないし、ごまかしたくもない。


「…好きだって言われたの」


至極簡潔で、率直にそれを伝えると、透は目を見開いて私を見つめた。


「え、、じゃあ付き合ってんの?」


戸惑ったように瞳を揺らしながら、そう聞き返される。


まあ透には陸玖のことが好きだと言っていたからその判断は当然だ。


「ううん。断った」


「は?なんで?好きなんでしょ?」


透はさらに驚いたように首をかしげて確認するように聞かれる。


「うん、好きだよ。だけど私は陸玖とは付き合っちゃいけないから」



「そんなこと…」


「怖いの。
もし付き合ったとしても、私はずっと相手の家族をひき殺した男の娘なんだって負い目を背負って生きていかなきゃいけない。
それにそんなの陸玖の家族だって求めてないし、報われないでしょ」


目の前の透に言い聞かせるようにそう言い連ねたけど、本当はそれでなんとか自分を納得させようとしていた。


そんな私を見て、透は何も言えずに固まっていた。