(完)嘘で溢れた恋に涙する

「お前が好きだ」



その言葉が私の耳に届いてから、しっかりと言葉の意味を自分の頭で理解するまでにはたくさんの時間を要した。


文字にすればたった6文字のその言葉も、私にとっては重く、大きな意味を担うものだった。


また陸玖はあの時のやり方で私を痛めつけるつもりだ。


そうとしか思えなかった。


「俺はお前に本当に酷いことをしてきた。中学の時も、この前のことも。
お前が俺のことなんかもうそう簡単に信用してくれるはずがないことはわかっている。
でも俺は何年かかってもお前に信じてもらえるまで言い続ける。
俺はお前の、由姫のことが好きだってことを」


私の心を読んだかのように陸玖はそう言って、私から一旦体を離し、その大きな瞳で私を見つめた。


そこには揺らぎなど少しも見えなかった。


「なんで…」


私にできるのはか細い声でそう問いかけることだけだった。


陸玖は自販機に行くのはやめ、私を階段の左側に座らせ、自分もその隣に腰を下ろした。


そして陸玖はゆっくりと話し始めた。


私と同じようにその人生を変えることとなったあの日の事故から今日にいたるまでの長い長い苦痛の道のりを。