(完)嘘で溢れた恋に涙する

それから、俺は誰にも会わずにその地を去り、ばあちゃんと共にあの島に足を踏み入れた。


暗い言葉はここに来てからは一切聞こえなかったが、俺の心は病んだままだった。


しかし、その新天地で俺はじいちゃんとばあちゃんたちに心配をかけないようにと、できる限りの明るい態度を心がけた。


それは俺を生まれた時から知っている人がいれば、まるで俺が元の俺に戻っただけのように感じられたかもしれないが、そんなことは一切なかった。


俺が演じていたのは全くの別人だった。


表面上だけは明るい元気なキャラクターを取り繕い、中身はいつも人を疑っていた。


あの日聞こえた暗い言葉たち全てが俺の体に強く染み付いていたから。


もうああなりたくなかった。


俺を思ってくれていた人たちを酷い形で裏切ってしまったあの日のようになりたくなった。



だから信用することをやめた。


人の裏側を強く監査し、惑わされたりしないように努力した。


またあの暗い言葉が聞こえたってどうでもいいやくらいに思えるように、周りに関心を持たず、特別な思いを抱かず、生きることに徹した。


汚い生き方かもしれなかったが気にならなかった。


傷つくくらいならずっとマシだったし、むしろ俺はずっと死にたいと思っていて、生き方なんかどうでもよかった。


へつらった笑い声をあげながら、鋭く彼らを観察していた。


そうやってここで生きてきた。