(完)嘘で溢れた恋に涙する

担任の先生も教室に入ってきて、ニコニコと笑いながら俺に近づいたけど同じだった。


「陸玖か?元気だったか?」


〈面倒くさい生徒だ〉



「やめろ、やめてくれ、」


徐々に呼吸が乱れ始め、涙がこみ上げる。


みんなが俺を見つめる視線が痛くて仕方ない。


〈うぜえ〉


〈邪魔〉


〈学校くんなよ〉


「どうしたんだ、陸玖。大丈夫か?」


俺を気にかけた、焦りを伴った言葉が遠くに聞こえるが、暗い言葉たちがそれを阻み震えが止まらない。


敵意を感じて、周りに目を向けられない。


怖くてたまらない。


様子がおかしいと感じたのか、先生が俺に手を伸ばすが、衝動的にその手を振り払ってしまう。


「あ…」


動揺した顔も、俺を睨んでいるように見えてしまう。


「ご、めんなさい。俺が悪かったから…もう許して」


絞り出す声も届かない。


酸素が足りず、頭が重く、地面がゆらゆらと揺れ、立っているのも困難になる。


それでも容赦なく言葉は刃物となり降りかかる。



〈死に損ない〉


〈貧乏人〉


床に額をつけてうずくまる。


もう誰の顔も見たくない。


「ハッハッハッハアッ…めんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」


俺が貧乏だったから悪いんだ。


俺たちが貧乏を理由に人に頼ってたから悪いんだ。


俺の家族が死んだから悪いんだ。


俺が1人で生き残ったから悪いんだ。


もうわかったよ、全部俺のせいだ。


責められるのも、こんな風におかしくなってしまうのも全部全部俺が悪いから。


だから俺を連れて行って。


ねえ、父さん、母さん、海央俺を迎えにきてよ。


1人が生きていけない。


家族なしじゃ笑えない。


「ぁ…ああうわああああああ」


もう正気を取り戻すことはできなかった。


視界は大きく揺れ、体が横向きになり、地面に強く打ち付けられた。


海央ごめんな。


最後の力を振り絞って、俺に残してくれた言葉が俺を強く縛り付けて辛いんだ。


無理だよ。


俺はもう幸せになんてなれないよ。