(完)嘘で溢れた恋に涙する

じいちゃんが持ってきていたスマホであいつの名前を検索して、批判をするサイトを見つけるとそれをじっくり読み込むと安らかな気持ちになれた。


ほら、あいつが全部悪いんだ。


俺のせいじゃない、あいつのせいだ。


何もかもあいつのせいだ。


ひたすらそれを繰り返していれば少しだけ前向きになれた気がした。


その中には社長として豪遊する暮らしぶりがわかる写真がいくつも晒されていた。


あの犯罪者は事故の前にいくつも掛け持ちしていたSNSで自らの生活を自慢するようにいくつも写真を投稿していたため、それをたくさんの人に保存され色んなサイトでばらまかれていた。


その中に1枚、家族の集合写真があった。


あの男と、美人妻に挟まれてポーズをとっているのは俺と同い年くらいだろうか、美しい少女だった。


真っ白な肌に、薄ピンクの頬、目鼻立ちはくっきりしていて、真っ赤な唇が特徴的だった。


その美しい顔は自信に満ちた表情をしていた。


口角を意地悪そうに上げ、何不自由ない生活をしてきたんだろうと予想がつく。


その少女に俺は無性に腹が立った。


名前も普通に載っていて、高島由姫というらしい。


姫という字が妙に似合っている。


こいつは今どこで何しているんだろう。


ちゃんと苦しんでいるんだろうか。