(完)嘘で溢れた恋に涙する

俺たちはただ普通に生きていきたいだけだった、裕福な生活なんか望んじゃいない。


家族が普通にそばにいて、
当たり前にただいまとおかえりが聞こえて、
ご飯をみんなで食べれて、


それだけでよかった、それだけで十分だった。


そのために俺たちはみんな努力してきたつもりだ。


母さんは外で働いてお金を貯めてくれていた。


俺は家事をほとんど引き受けた。


海央はそんな俺を手伝ってくれた。


天国の父さんが安心できるように、家族みんなの幸せのために。


それがあいつのせいで簡単に奪われて、壊されて、悪いのはどっちだ?


有無を言わさず、あいつだろう。


なんで俺たちが責められなきゃいけないんだ。


さも、俺たちが社会のはみ出し者のように、まるで罪人のように、断罪されなきゃいけないんだ。


どうして俺たちのことをよく知りもしないくせに簡単に叩けるんだ。


顔が見えないからか?
何を言ったってバレないと思っているからか?



母さんも海央ももう死んだからか?


死んだ人になら何言ってもいいのか?


俺たちになら何言ってもいいのか?