(完)嘘で溢れた恋に涙する

俺のサッカー部の部費のことも、事実であるかと聞かれたらそうじゃないとは言えない。


うちの家計がひどく苦しかった時、俺はクラブを辞めようとしていた。


このままじゃ母さんに迷惑をかけてしまうと思ったからだ。


だけど監督が強く引き止めてくれた。


部費は払える月だけでいいとまで言ってくれた。


そんなことできませんと言っていた母さんに了承させるために、わざわざ保護者会まで開き全員の保護者に許可を監督自ら取ってくれて


ほとんどの保護者が文句ひとつ言わずその意見を受け入れてくれたらしい。


そういうわけで、母さんはどうしても部費が払いきれない時は払える分だけ払い、期日が過ぎた後に少しずつ返していった。


部費はちゃんと払ってくれていた。


決して部費の免除なんて母さんは求めていない。


どこまでも真面目な人だからそんなことするはずがない。


最後の、周りに頼り切って、母親は遊びまくりなんて大嘘だ。


母さんが自分のために何か買ったり、遊んだりしているところを俺は一度も見たことがない。


3つの仕事を掛け持ちしていて、休みなんてないほど多忙な日々を送っていった。


いつも目の下にはクマがあったし、腰も痛そうにしていた。


母さんは体を壊してもおかしくないくらい、俺たちのために働いてくれていた。


いつも言っていた。


「母さんがたくさん働くから、あんたたちは自分のやりたいことを諦めたりしなくていいからね」


周りの人たちにはたしかに頼っていた。


頼り過ぎていたかもしれない。


でも母さんは自分のために誰かに頼ろうとしたことなんて一度もない。


全て俺たちのためだ。


母さんは俺と海央のために、毎日必死になって生きてくれた。


ここに書いてあることなんて全て嘘だ。


そんなのちゃんと調べればすぐにわかることなのに、どうしてこいつらはそれをしない?


面白いネタだとばかりに飛びついて、ターゲットを見つけたと言わんばかりに俺たちを叩いて何が楽しい?