(完)嘘で溢れた恋に涙する

心のない言葉たちが遠慮なくそこに書き連ねられていた。


これ、本気で言ってんのか?


俺たちは、被害者だぞ。


なんであいつを責めないんだよ。


どうして俺たちがこんな風に言われなきゃいけないんだよ。


まるで俺たちが加害者のように扱うインターネットの向こうにいる顔の見えない相手が怖くて仕方なかった。



確かに俺たち家族が生活保護を受けていた時期はある、それは事実だ。


父さんが死んだ後、多額の治療費、手術費、そして葬祭費、膨大なお金を使わなければいけなかった。


母さんはすぐに就活したが、すぐには仕事は見つからず、祖父母たちも俺たちを養えるほどお金を持ってはいなかった。


どうしようもなく、生活保護に頼ったがそんなに長い期間じゃなかった。


最近は母さんの収入と、祖父母の差し入れで必死に生活していた。


映画を観にいって豪遊とも書かれていたが、海央が母さんと遊びに出かけたのはたぶん1年ぶりだ。


母さんは毎日働きづめで俺たちを遊びに連れて行く時間なんて無かったし、俺たちもそれを理解してわがままなんて言わなかった。


あの日はたまたま、母さんが会社の人に映画の試写会チケットを譲ってもらって、久しぶりに休みが取れて遊びにいっていたのだ。


それが世間から見たら豪遊なんだろうか。


貧乏人は、一度生活保護を受けた者は、日々の暮らしの中にささやかな楽しみを見出すことも許されないのか?


俺たちは遊ぶことも許されなかったのか?


違うだろ。


どうして母さんと海央が久しぶりに遊びに行っただけでこんなに汚い言葉で罵られなきゃいけないんだ。


海央なんてまだ10歳だったんだぞ。


普通のこのくらいの歳の女の子はお母さんに甘えて、わがままも許される歳だろう。


それでも海央は決して母さんに対して文句1つ言わなかった。


自分でできることは全て自分でやり、俺が主体となってやっていた家事もよく手伝ってくれた。



十分すぎるくらい頑張っていた。


そんな少女をお前たちはどうして簡単に責めることができるんだ。