(完)嘘で溢れた恋に涙する

優也のお母さんが連絡してくれたらしく、父方の祖父母と母方の祖父母が病院に到着していた。


全員が頬を涙で濡らしながら、俺を抱きしめてくれた。


だけどそんなもので俺の気が晴れるはずもなかった。


目を覚ました瞬間思い出す真夜中の記憶、嘘であってくれと願うのに容赦なく迫ってくる現実。


絶望という言葉があんなにもお似合いな日はもうこの先ないだろう。


母さんも海央ももういない。


俺の家族は全員いなくなってしまった。


もう海央と一緒に家の手伝いをして母さんに褒められることもない。


2人で悪さをして叱られることもない。


サッカーの試合を応援に来てもらうこともない。


俺の手にはもう何も残っていない。




父さんが亡くなった時、俺は心のどこかで思っていた。


これ以上の地獄はないだろうと。


神様は俺にこれ以上辛い思いをさせることはないだろうと。


なのに何だ、この有様は。


父さんの時より、酷いじゃないか。


ああ、もう神様なんか信じない。


そんなもの所詮まやかしでしかない。