(完)嘘で溢れた恋に涙する

どれぐらいそうしていただろう。


涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔でどれだけ時間が経とうと海央に向かって叫んでいた声がやっと届いた。


海央が顔を苦痛に歪めながら、顔をこちらに向け目を開いた。


そして、か細い声で呟いた。


「お兄ちゃんは幸せに生きて」


そして俺が、海央が生まれてからずっと見てきた笑顔を浮かべるとまた意識を手放した。


「ふざけたこと言うなよ!!おい、海央!目ぇ開けろ!
もっと遊んでやるから、人形遊びにも付き合ってやる、勉強も教えてやる!
だから行くな!行かないでくれ!」


すでに枯れきっていたその声が最後に海央に届いたのかはわからない。


海央はその数秒後、あまりにも短すぎる生涯に幕を下ろした。