(完)嘘で溢れた恋に涙する

しばらく美結が差し入れや、プレゼントを眺めているのに付き合っていると、美結の先輩が呼びにきて美結は連れていかれてしまった。


取り残された私たちは、透がお茶を買いたいと言い出して、自販機に向かうことにした。


自販機は外に出たところにあって、透が2つのお茶の種類で長時間悩んでいるのに付き合わされた。


どっちも同じようなものだろと言いたかったけど、堪えて、次々に体育館に入ってくる人たちを眺めていた。


透がやっと選び終えてお金を差し込んでいる時、私の口から掠れた声が漏れた。


「嘘でしょ。なんで…ここに」


制服を着てスマホを耳に当て通話しながら、階段を上っている彼は…


慌てて顔を背け、横目で確認する。


私の隣をすり抜けていった彼は間違いなく、陸玖だ。


動揺が一気にカラダ中を駆け巡る。


人違いなんかじゃない、幻想なんかじゃない。


あれは確かに陸玖だった。


本物の陸玖だった。


ずっと会いたいと心が叫んでいた相手だ。


でもなんでここに陸玖がいるの。
どうすればいい。


そんな思いが胸を占領していく。


明らかに鼓動が大きく、早くなっている。


いつのまにか手も小刻みに震えている。