(完)嘘で溢れた恋に涙する

急にお母さんが私の方を引き寄せ強く抱きしめてきた。



「由姫、もうあなたが責任を負う必要はないとかかばうようなことは言わない。
あなたも必死に考えているのよね。
これまでのあなたについてとかこれからどう生きていくかについてとか。
あなたが自分で何を考えるかは自由よ。
私はそこには触れられない。
無理やりあなたは悪くないとか言ったってあなたには重荷にしかならないもの。
だけど、これだけは約束して。


絶対に死なないで。


私は由姫がいなくなったら耐えられない」



そして、2人で顔を近づけて号泣した。



涙と鼻水でベチョベチョになりながら、ずっと泣き続けた。



お母さんが泣くのを私は初めて見た。



いつも必死で気丈な顔を作っていたのだ。



私に心配をかけないように、私をこれ以上苦しませないように。



私がお母さんをそうさせてしまった。



私が傷ついた顔ばかり見せるから、だからお母さんはなんともないふりで私を慰めてくれた。



例えおじいちゃんやおばあちゃん、クラスメイトや、穂積さんのお父さんが私を許したって、他のクラスメイトや親や、そして凛花ちゃんは決して私を許さないだろう。



守ってもらった分際でこんなこと言うのは間違っているかもしれないけど、子供だから許されるっていうのは屁理屈だ。



だって、私は知っていた。



人を傷つけてはいけないことを。



それが法で裁かれるべきものであることを。



だけど私は知らなかった。



自分の傲慢さ、汚さ、そして野生的な本能を。



それこそが私の罪なのだ。



子供だからといって許されていい罪ではない。



凛花ちゃんや、そして誰よりあの家族でたった1人残されたという私の同級生の男の子が望むのは、



白々しい謝罪の言葉なんかじゃない。



改心して正しく生きていくことじゃない。




苦しんで苦しんで、誰にも見向きもされず、死ぬことだ。



与えた罪以上の贖罪を求めているのだ。