(完)嘘で溢れた恋に涙する

先生はまたもや目を見開かせて、自分のスマホ画面を見つめていた。



「覚えてないの?」



震えるようなその声に、私はさっきの分の下にまた入力した。



『凛花ちゃんに怒鳴られたところまでは覚えてるけど、その後がどうしても思い出せないんです』



先生はそれを見て、なんとも言えない渋い表情を見せた。



『お願いします。何かしてしまったのなら私は謝らなきゃいけないんです。私に同情なんてしなくていいです。ありのままを話してください』



「ごめん、由姫ちゃん。それはできない。お母さんはあなたに言ってないんでしょう?」



その言葉を聞いて、一瞬で私はある決断を下した。



嘘をつくしかない。



このままだったら誰にも教えてもらえない。



それほどのことを私はやってしまったはずなのに、それを知らずにこれから生きていくなんてこと耐えられない。



お母さんにも、先生にも申し訳ない。



だけど、直球でいって教えてもらえないのなら、変化球を打ち込むしかないんだ。



『お母さんから先生に聞くように言われたんです。次先生がいらっしゃった時に聞きなさいと言われたけど、早く知りたいんです』



そう打ち込んで、さもそれが事実のように表情を崩さぬようにしてみせた。



先生は少し驚いたような顔をした。



「それ、本当?」



『はい。私、今日目覚めて、すぐにそう言われました』



しばらく先生は考え込むように俯いていたが、突然重い口を開くようにゆっくりと話し出した。